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「Peach sugar snow」という結晶は砕けて散った

唯一無二のウィスパーボイスアイドルとして活動していたPeach sugar snowが三人での活動を終了、その最後のライブが吉祥寺Star Pine's Cafeで行われた。

この日を境にanちゃんはPeach sugar snowを卒業、momokaもPeach sugar snowを卒業しソロ活動へ移行、ainaPeach sugar snowを一人で引き継ぐことになった。
こんな日が来ることになろうとは半年前は思ってもいなかった。いや、正確にはホンの少しだけ懸念していた。
http://www.girlpop.jp/interview/141010/01/

――  ウィスパーボイスでずっと歌っているとたまには普通の歌唱法で歌いたくなりませんか?

PSS それは…あります(笑)

K&Mミュージックは音楽スクールであり、ヴォーカルやダンスレッスンはしていてもウィスパーボイスを専門に練習している訳ではない。普段のレッスンの成果を存分に発揮できないのは若干ストレスなのでは?と思ったのがこの質問の真意だった。実際PSSらがどう思っているのかは分からないが、ウィスパーボイスではないソロ曲を聞くに、これだけ歌えるのに発表する場があまり無いのは勿体ないなとずっと思っていた。

この日限定販売のミニアルバム「We are PSS」、ファンの間でもずっと音源化を待望されていた名曲「パウダースノー」がようやく収録された。しかし、もしPSSが続いていたら、今年の12月にはタワレコの試聴機でレコメンされていただろうと思うとこれでシングル切って全国流通出来なかったことが本当に悔やまれる。

この日の衣装はまさかの「ひとときでも」衣装。


2年前の衣装なのでもう入らないだろうに、おそらくこの日のためにリファインして着れるようにしたんだろうか。

【セットリスト】

  1. PSSのテーマソング
  2. 世界の終わりEnd
  3. 大丈夫
  4. シンデレラにはまだなれない〜ガラスの靴
  5. Xmas☆silent
  6. パウダースノー
  7. Xmas☆silent(rap version)
  8. ラムのラブソング
  9. ごめんね
  10. ETERNAL BLAZE
  11. じゅもん
  12. 人魚〜泡になって消えても〜
  13. あったかいんだから(ダンス)
  14. 君の裏側〜君のいない世界(an)
  15. 流れゆく雲を見つめて(aina
  16. 即興弾き語り(小林清美)
  17. ひとときでも

出し惜しみ無しの全曲披露。途中momoka発案のショートコントなども交え、湿っぽくなりそうな中にも楽しいステージも忘れない。コントのテーマは「TIF」。大まかな流れは決めていたが基本的にアドリブだったそうだ。momokaの「ちっがうンだよ〜!」は実際にクラスで言ってそうなリアルなJCの一面を見せてくれた。

三人によるトーク、PSSを離れソロになるmomokaから「不安」だという正直な気持ちの吐露。しかし、昨年一人でミスiDの活動を経験したことで精神的にも成長していることだろう。俺は美しい魔法使いに一生K&Mミュージックを好きでいる魔法に掛けられているので間違いなく付いていくよ。

巻物に手紙を書いてきたと言うanちゃん。しかしそれはどちらかというと手紙と言うよりも忍法ドロン的な巻物では・・・。

読んでいる内にポロポロと大粒の涙を流すanちゃん。巻物を持つmomokaももらい泣き。

「数少ないanのファンの方」で笑いを誘うのがanちゃんらしい。思わず吹き出すmomokaとaina

大丈夫、みんなそんなanちゃんの事大好きだよ!

卒業する二人から、残るainaに「あったかいんだから」をプレゼント。

PSSのプロデューサーである小林清美先生の作る楽曲は基本子どもが歌うには大人びた切ない曲が多いんだけども、全ての曲の歌詞の一言一言が今日この日のために作られたかのように心に刺さり、そして染みる。
 
anちゃんのソロ曲「君の裏側〜君のいない世界」、感極まって歌えなくなるanちゃん。

巡る巡る世界回って
君の存在気づかされて
どこででも
地球の裏側に回って
君の名前叫んでみた
どこにでも届いて欲しいな
届くから

本当にいい曲をもらったね、anちゃん。届いてるから!

ainaからは卒業ソングの定番「流れゆく雲を見つめて」をピアノで弾き語り。見事に歌い上げるその姿は師である小林先生の生き写しのようでもある。

そして小林先生から即興演奏で三人それぞれにメッセージが贈られた。


ステージから一旦捌け、イラストレーターで漫画家のha_ruさんデザインによるPSSキャラクターTシャツとデニムのショートパンツ姿で再登場した三人のPeach sugar snowの本当に最後の曲はタワレコのインディーズCD取扱規定を覆しCD-Rを取り扱う切っ掛けともなった記念すべきデビュー曲「ひとときでも」。

PSSの2年間全ての集大成をこの目、この耳で聞けた。これで悔いはない・・・と言えばウソになるけど、一生忘れられない素晴らしいライブを見せてくれたPeach sugar snowと小林清美先生、そしてK&Mスタッフの人たちには感謝でいっぱいです。






2015年3月15日、2年前に生まれ落ちたこの吉祥寺の地で「Peach sugar snow」という結晶は砕けて散った。




しかし、一欠片の希望が残った。