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目の無い猫

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子供の頃、たまに家に餌を貰いに来る野良猫がいた。汚い野良猫だったが如何にもな猫なで声でやってくるのを無視できず、当時の人気TV番組*1から「ジャガー」と名前を付けて可愛がっていた。ある日ジャガーがケガをして家に来た。片目が潰れていた。他の猫と喧嘩でもしたのだろうか、それとも犬に襲われたのだろうか、よく見たら他にも傷だらけだった。飼い猫だったら獣医に連れて行ってるところだが、野良猫なのでそんな責任も掛ける金もない。都合のいい話だが自然に任せることにした。
それからもジャガーはしばしば餌を貰いに来ていたが、どうしちゃったんだってくらい毎回毎回傷だらけだった。意外にも相当喧嘩っぱやいのか、それとも周りの野良猫連中からいじめられてるのか。野良猫の生活なんて俺には知る由もないが。
大抵の野良猫がそうであるように片目のジャガーもある日を境にぷっつり姿を消した。俺もすぐにジャガーのことは忘れた。ただ買い置きの缶詰だけが残った。