ランチタイムというにはちょっとずれた時間帯、大抵のお店が一仕事終え準備中の札を掲げている中、昼飯を求めて彷徨っていると一軒の中華料理屋が目に入った。見た目も値段も特に変哲のない普通の中華料理屋。メニューを眺めながら店の前で思案していると扉が開き、看板を下げようと従業員が現われた。
「チャ、チャイナ服だ…！」
そこにはランチタイム後のけだるい時間には似付かわしくないチャイナドレス姿の従業員の姿があった。思わず店に滑り込む俺。
店員は一人を除きみな中国人のようだ。接客担当の従業員は二名。どちらもチャイナドレスに身を包み、170cmはあろうかというモデル並みの体型に一人はショート、一人は後ろで束ねたポニーテール、長い足がチャイナのスリットからすらりと延びている。すごい、これでランチ800円は安すぎる。これだけでご飯何杯でもおかわりいけそうだったが残念ながらこの店はおかわり不可だった。
会計を済ませ店を出る。「アイガトゴザイマシター！」期待を裏切らないいいカタコトだ。こうでなくては。
「チャイナドレスを発明した中国人は偉大だ・・・」
チャイナドレスへの思いを巡らせながら会社への道を急いだ。
※写真はイメージです。
